August 25 2024
とっても簡単! 「簡易金継ぎ」をやってみよう
金継ぎを始めよう
今、空前の「金継ぎ」ブームがきています。「金継ぎ」はつい最近まで、お料理屋さんやお茶道具屋さんなど一部の高級な器を扱う人たちのものでした。しかし、Instagramの影響で器の人気が高まり、器好きさんがお気に入りの器のメンテナンスに興味を持ち、「金継ぎ」を始めるケースも増えてきています。
とは言え、漆を使う本格的な「金継ぎ」は何日もかかり、専門的な技術も必要なことから、誰でもできる「簡易金継ぎ」を取り入れる人が増えています。
購入特典の「金継ぎセット」
器のオンラインサイトである「Narative Pratforem」で器を購入された方は、今後、特典として簡易金継ぎに使える「合成うるし」と「金粉」のセットを購入できる予定です。
こちらの「合成うるし」は食品衛生法基準をクリアしているため、安心して食器にご使用いただけます。
また、本漆は肌がかぶれてしまう可能性がありますが、こちらは肌のかぶれ成分をすべて取り除いて作られておりますので、万が一触ってしまったとしても肌がかぶれる心配もございません。同梱されている金粉もこだわりの物で、金粉が細かい、自然な発色の金継ぎに仕上げられます。
今回はこのセットを使って、欠けたり割れたりしてしまった器を甦らせてみました。
必要な道具
簡易金継ぎにはいくつか必要な道具がありますが、全て100円ショップで購入可能です。左からサンドペーパー、強力接着剤、エポキシパテ、ミニネイルアートブラシです。最低限この4つは用意しましょう。
器の状態をチェックする
まずは器の状態をよく確認しましょう。「欠け」「割れ」「ヒビ」など破損の状態で修理方法が変わります。
こちらの向付けは縁に小さな欠けがあります。
この小鉢も縁が欠けてうっすらニュウもあります。
こちらの九谷焼の小鉢にも角に欠けがあります。
こちらは先日ベトナムで買ってきたソンベ焼きですが、大切に持って帰ってきたつもりが、パッケージを開くと割れていました。一度も使っていないので捨てるのは忍びないですよね。
欠けを埋める・カケラを接着する
欠けはエポキシパテで修復していきます。エポキシパテは必要な量を切って、よく手でこねます。
欠けているところに粘土の要領でエポキシパテを埋めます。この際、あまりオーバーめにせず、ギリギリくらいの分量にすることがポイントです。その方がサンドペーパーで削る際の労力が小さく済みます。
数時間でエポキシパテが固まりますので、サンドペーパーで余分なところを削っていきます。手で触った時に凸凹がなく、一体感がある状態までやすりをかけます。
ソンべ焼きは3つのカケラを元通りに接着するのが難しかったので、2つを接着し、残りはエポキシパテで無理やり埋めてしまいました。
接着時に生じた溝もエポキシパテでうっすら埋めて凹凸を無くしています。
金粉を塗る
ここまでの作業時間が長く、肝心の金を塗るのは一瞬です。まず、合成うるしと金粉をアルミホイルの上などに出してよく混ぜます。
滑らかになったらネイルアート用の筆でエポキシパテや接着剤を覆っていきます。
完成
簡易金継ぎは数時間あれば完成するので、いくつかまとめてやってしまうのがおすすめです。それでは完成品を見ていきましょう。
小鉢の縁が蘇りました。
ちらの小鉢の側面はニュウの半分くらいのところまで金で塗りました。いわゆる「金継ぎ」っぽい雰囲気が出ています。
二箇所の欠けを修復しました。黒っぽい器は金が映えるのでおすすめです。
ソンべ焼きも見事に蘇りました。エポキシパテで大胆に埋めてしまいましたが、なかなかゴージャスな仕上がりになっています。
「簡易金継ぎ」は本来食用ではないパテや接着剤を使用するので、気になる方はお皿として使用せず小物入れや花器などに転用するようですが、私は端っこの小さな修復くらいであれば気にせずにお皿として使っています。この辺りの感覚は人それぞれだと思いますので、ご自身でご判断ください。