August 24 2024
これなら安心。食器としても使える簡易金継ぎ
金継ぎとは
金継ぎは、日本の伝統的な修復技法で、主に焼き物や漆器などの工芸品を修復するために用いられます。この技法は、壊れた部分を漆で接着し、金粉や銀粉などの金属粉で装飾することで、修復箇所を美しく飾り立てるものです。
漆は非常に強力な接着力を持ち、耐久性が高いため、割れたり欠けたりした部分をしっかりと接着します。接着した後、漆が完全に乾燥するまで数日間待ちます。その後、修復箇所の継ぎ目に金粉や銀粉を塗布し、金継ぎの特徴的な金色や銀色の模様を作り出します。修復箇所を隠すのではなく、むしろ傷跡を美しく飾ることが金継ぎの特徴です。
金継ぎは、修理された物品の歴史と経年の経験を誇示し、それを品物の個性として尊重する文化的な意味を持っています。この技法は日本の文化に深く根ざし、品物に対する尊重と修復の価値観を象徴しています。
金継ぎは、傷ついた物品に新しい命を吹き込むだけでなく、文化遺産としての価値も持っており、高く評価されています。
本漆の金継ぎと簡易金継ぎ
本物の漆を使用した金継ぎは、古くから受け継がれてきた日本の伝統技術です。この技法では、漆の樹液から作られた漆を使用して、継ぎ目の接着や埋めを行います。
漆は天然由来の材料であり、人体に優しい特性を持っています。そのため、修繕した器を食器として使うことも可能です。ただし、漆は乾燥中に厳格な湿度管理が必要であり、金継ぎの工程ごとに時間と手間がかかります。
プロの修繕を依頼する場合、通常は本漆を使用した金継ぎが選択されます。この方法は、高度な技術と経験が必要であり、品物の価値を保ちながら修復することができます。漆を用いた金継ぎは、日本文化と工芸の一部として高く評価され、美しさと機能性を両立させる素晴らしい伝統技術です。
一方、その手軽さから近年広まっているのが「簡易金継ぎ(なんちゃって金継ぎ)」です。簡易金継ぎは、伝統的な金継ぎ技法とは異なり、本漆を使用しない陶磁器や工芸品の修復方法です。代わりに漆に似た人工接着剤やパテを用い、修復箇所を接着し、金粉や銀粉を使って装飾します。
この手法の利点は、本漆を使用しないため、肌のかぶれの心配が少なく、乾燥時間が短いことです。さらに、技術的なスキルや経験が少なくても行えるため、初心者やアマチュアにも挑戦しやすい方法となっています。
簡易金継ぎのデメリット
簡易金継ぎは、手軽に行えるのがメリットですが伝統的な金継ぎと比べて、修復物の耐久性や美的価値には劣ることがあります。さらに修復に使用する接着剤やエポキシパテは食品衛生法適応外のものがほとんどですので、食器として使用するのではなく、小物入れや花器にするのが望ましいと言われています。
また、金継ぎコーナーで売られている『新しんうるし』は、金継ぎの修復材料として一般的に使用されていますが、接着剤などと同様、食品衛生法適応外のものがほとんどなので食器に使用したい際は注意が必要です。
安心して使える簡易金継ぎキット
「Narrative Platform」では金継ぎのプロ集団「金継ぎ暮らし」とコラボレーションして、食品衛生法適応の簡易金継ぎキットを発売しています。
簡易金継ぎした器を食器として使用したい方はこのようなキットを使用することをお勧めします。