Anthony Lee - Aug 27 2025

達磨の魅力、種類、選び方

達磨について学ぼう

日本の土産店や飲食店の入口でよく目にする「招き猫(まねきねこ)」。片手を挙げた猫の姿は、日本独自の縁起物として長く親しまれています。商売繁盛や幸運をもたらす象徴として、今では日本国内だけでなく、世界中で愛される存在となっています。

達磨の歴史

起源(インド・中国)
だるまの原型は、禅宗の開祖として知られるインドの僧・達磨大師(菩提達磨)です。達磨大師は5〜6世紀に中国へ渡り、少林寺で禅の修行を広めたとされています。伝説によれば「面壁九年」と呼ばれる9年間の座禅修行を行い、その厳しい修行のために手足が腐り落ちたと語られました。この逸話が、手足のない丸い人形「だるま」の形に結びついています。

室町時代(14〜16世紀)
中国から日本へ伝わった後、日本では「起き上がり小法師」(倒れても起き上がる玩具)と結びつき、だるまの基礎となる文化が広がりました。転んでも起き上がる姿が「不屈の精神」を象徴し、縁起物として受け入れられました。

江戸時代(17〜19世紀)
江戸時代に入ると、現在の「だるま人形」の形が確立しました。特に群馬県高崎市の少林山達磨寺では、七転び八起きの精神を表す「高崎だるま」が生産され始め、庶民の願掛けや商売繁盛のお守りとして大流行しました。さらに江戸各地で「だるま市」が開催され、年の初めに新しいだるまを買い求める風習が定着しました。

近代(明治〜昭和)
明治以降は、だるまが政治や選挙とも結びつき「選挙だるま」としても用いられるようになりました。また、赤色だけでなく、白・金・黒など多様な色彩のだるまが登場し、それぞれ異なる願意(合格祈願・金運・厄除けなど)を象徴するようになりました。

現代(平成〜令和)
現代のだるまは伝統的な縁起物に加え、デザイン性を取り入れたアート作品やカラフルでポップなインテリア雑貨としても人気です。地域ごとに特色あるだるまが守り継がれ、だるま市や工房めぐりなど観光資源にもなっています。また、海外でも「Daruma」として知られ、日本文化を代表するシンボルの一つとなりました。

達磨の魅力

不屈の精神の象徴
何度倒れても必ず立ち上がるその姿は、「七転び八起き」の精神を体現し、強い意志と復活力を感じさせます。

祈願の儀式が楽しい
願い事を書いて片目を入れ、成就したらもう片方に目を入れる「目入れ」の儀式が定着し、自分ごととして関わりながら願掛けができます。

色で意味が異なる
縁起物赤以外にも色のバリエーションが豊富で、それぞれに異なる願いを込められるところが魅力的です。

達磨の種類

高崎だるま(群馬県)
全国で最も生産されるだるまで、眉毛に鶴、ヒゲに亀を象ったデザインが特徴です。商売繁盛や選挙祈願に使われる「選挙だるま」としても有名です。

越谷だるま(埼玉県)
埼玉の伝統工芸として知られ、紅白や五色だるまなど、豊かなカラーバリエーションが揃います。

姫だるま(愛媛県など)
女性を模した形のだるま。比較的新しいタイプで、可愛らしさと女性への願いを込めたスタイルが特徴です。

五色だるま(静岡県伊豆市)
赤・青・黄・白・黒など複数色のだるまがあり、五色の願いをかけるタイプです。

その他にも、白河だるま、多摩だるま、鈴川だるまなど、各地域に独自のだるま文化があります。

達磨の選び方

願いの内容に合わせて目入れスタイルを選ぶ
願いを込めるための片目入りタイプ(目入れ式)か、既に両目が描かれた完成済みタイプを選ぶか。

色で願意を選ぶ
赤:開運、厄除け、商売繁盛
白:長寿、学力向上、合格
黄:金運、財運青:出世、昇進
緑:健康、回復
ピンク:恋愛、良縁

用途別に地域・デザインを選ぶ
開店祝いなら高崎だるま、伝統色を楽しむなら越谷や五色だるま、女性への贈り物には姫だるまなどシーンに合わせて選べます。

達磨の現代での使われ方

開業・受験・選挙のお守りとして
実際に目を入れることで願掛けとして使われるほか、目標達成のお守りとされています。

お土産やインテリア、食器
色やデザインが豊富で、自宅のインテリアや贈り物にも好まれ、海外にも人気があります。また、縁起の良い柄として食器にも使われます。

地域のだるま市での購入体験
高崎、深大寺、白河などの「だるま市」では地域限定デザインが買え、文化体験としても賑わいます。

モダン&アート融合デザイン
現代では木製・布製・ポップなカラフルデザインなど、新感覚のだるまも人気です。

まとめ

だるまは、禅宗開祖・達磨大師の肖像から生まれた、日本が誇る縁起物の置物です。「七転び八起き」の象徴として、願掛けの儀式性や多様な色・デザインで幅広い用途に活躍します。地域ごとの特色あるだるまや、現代風アレンジも魅力です。願いを込めて、ぜひあなたにぴったりの一体を見つけてみてください!

Article credit: Heidi Cohen (https://heidicohen.com/use-blog-to-sell/)

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